空論オンザデスク

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スーパーナチュラル シーズン6感想

この記事はネタバレを含みます。あらすじは書いていませんがこれから楽しみたいというかたは読まないでください。

やっぱり失敗したと気づいたのは、最終回直前になってから。huluを利用している人はご存じのように、かのサイトでは奇数シーズンを奇数月に、偶数シーズンを偶数月に公開する。
たとえば6月の中旬に2週間無料トライアルを申し込んで、シーズン4を見たとする。ラストまで見たときには次が気になって仕方がない。よってまんまと有料会員となり、7月にシーズン5を、8月にシーズン6を見るというスケジュールに拘束される。じつに狡猾なやり方である。
スパナチュほど麻薬性の高いドラマにおいては、huluのまさに悪魔的なやり口を呪いながらも従うほかない。

さて、自分はあえてその強制ループから抜け出す試みをした。つまり、6月中にシーズン5を飛ばして6を先に見てしまう挙にでたのだ。運命を切り開くとはこのことであろう。

そして、5の死闘と因果を一切知らぬまま、thenでたまに出てくる5の追想には目をつぶり、断絶したストーリーを追うことにした。そして、それが大失敗だと気づいたのはもう取り返しがつかなくなってからのことだった。ディーンはキャスにどんな借りがあるのか。キャスはなにに突き動かされてあそこまで力を欲するようになったのか。わからないまま結末を迎え、結局あらゆる疑問を残したままシーズン7へと引き継がれることになる。やはり運命には従うべきだったのだ。あの眼鏡っ子の女神ではなく、もっと厳粛な意味で。

今回のシーズンは、これまでにたどったパターンを踏襲している。冒頭でいきなり大量の問題を投げかけ、前シーズンからの変化に目をぱちくりさせる。中盤はじらし作戦。寄り道や遊びの回がふえる。次元を越えたかどうか知らないが、二人が実在の自分たち、つまり俳優のバタッキとアクレスになってしまう回はイタズラ心の域を越えている。あんなのを平気でやって崩壊させないのは神がかり的な構成力だろうが。そしてラスト近くであれよあれよと急転回が襲いかかり、謎をほどよく残して終了する。ていうか、今回は残しすぎ。さすがに。

前半の女々しいディーンは、理解できるが共感は難しい。一年のブランクはあるし、ホームパパとしての葛藤があるのだろうが、タフでチャラいイケメンはどこにいったの?という感じ。けれど、あれがなければ冷徹なサムが引き立たないのだろう。ダークサムははっきり言って違和感がない。末っ子らしい自己中がかれの本質だから、表面上の人間味を失ってもむしろ、サムらしさが増すだけのように思えた。

イブがあっけなく消えたのがなんとも煮え切らない後味を残した。結局、煉獄(漢字がない!)の扉をあけるための鍵でしかないのだろうか。あれだけ引っ張って、魔物の大量出現やアルファたちのほのめかしが前半のメインテーマだったのに、その解答がでてきたとたんに、いや実はラスボスではなくただのアイテムだったのよと肩透かしを食らった印象がぬぐえない。キャラ的に人気が出なかったんだろうね。視聴層が女性中心であるだろうに、あのキャラは同性受けしないだろうな。母親としてのエゴなんて、同感はできるけれど魅力は感じないだろうし。

この作品は女性キャラが長続きしないのが残念なところ。ルビーやリリスもそれぞれ良かったが、キャスやボビーやクラウリーに比べて厚みが足りない感が否めない。リサは普通の奥さんだし。作品全体を通じて同性の厳しい評価をいなしていけるだけの実力のある俳優が起用されないものだろうか。

もうすぐ7月なのでとりあえずシーズン5を待ち、その後の新しいシーズンはDVDを借りるかhuluの後身を待つか思案のしどころだ。