空論オンザデスク

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国語力をつけるということ 第1回

国語という科目ほど伸ばすことが難しいものはない。国語が苦手で、受験が間近なのであれば、これを根本的にどうにかしようとは考えないほうがいいかもしれない。それよりも、より即効性があって合否を左右する科目に注力したほうが理にかなっている。中学受験なら算数、高校、大学入試なら英語と数学を、徹底的に反復練習したほうがいい。なぜならこれらの科目は合格者と不合格者の得点差がもっとも出る科目だからだ。

 

国語は全ての学力の基礎をなすと言われる。
算数であれ理科であれ、すべて問題は日本語で書かれているから、日本語の読解力がつけば自ずとそれらの科目も上がるという。しかしこの見解は、必ずしも正しいとはいえない。実際、国語ができなくても算数は優秀とか、そういう子供はたくさんいる。それに、国語の得点力を左右するのは読解力だけではないのだ。

 

ここで、読解力という能力を、「文章を読んで内容を把握する力」と定義する。一方、国語の問題を解く力を「国語解答力」と定義したい。両者には重なる部分はあるが必ずしも同一ではない。

 

読解力=語彙力+文脈力+経験値+解釈力であり、
国語解答力=読解力+分析操作力+記述力である。

 

例えば、本をよく読む子供は大して勉強しなくても国語の成績がいい場合が多い。これは読書量によって語彙力と文脈力が自然に身についたからであり、分析操作や記述の弱さを補っているからである。一方、同じく本をよく読む子でも国語となると弱い場合、読解力の部分は強くても他の能力の弱さで相殺されてしまっている場合や、何らかの理由で文脈力が育っていない、もしくは間違った方法で読んでいるためにそれがマイナスの方向にいってしまっている場合がありうる。

 

もうひとつ、読解力や国語解答力以前の段階でつまずいている場合もある。これは、例えば設問の文章を最後まで読めない、あるいは読みきるまで集中力が持続しない、もっといえば、一定の時間内落ち着いて座っていられないなどの発達上、あるいは生活習慣上の問題を原因とする場合である。多くの場合、これらの問題は年齢と共に発達がすすんで、自然に解決することがほとんどだが、例外として同学年の子供より極端に発達が遅いと、自分が「できない」という思い込みが固定してしまい、そこから抜け出すのが困難になる場合がある。これらの能力を「発達による学力」と定義する。

 

次回は全ての基礎となる「発達による学力」をもう少し掘り下げることにする。