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子育て、親育てを中心としたブログ 教育本、子育て本、鉄道もの、プラレール、トミカ系おもちゃなども。

ラノベ好きな草食系男子に読んでほしい海外SF作品

ウェン・スペンサー
ようこそ女たちの王国へ

ようこそ女たちの王国へ (ハヤカワ文庫SF)

ようこそ女たちの王国へ (ハヤカワ文庫SF)

翻訳ものはえてして邦題がいい加減だが、これもそのひとつ。
男子の出生率が極端に低い世界の物語です。当然、政治から何から社会の主要な部分は女性の独占になっており、男は女の所有物というか、財産のような扱いになっています。男は数が少ないので一夫多妻が当たり前。女だらけのファミリーの中で子孫を残すことと家事を切り盛りする役割を負っています。安易な女だらけラノベの典型みたいな設定ですが、ここからがこの作品の違うところ。

そうなった場合の歴史の展開とか社会の仕組みとかが緻密に考えられていて、よくできたパラレルワールドを見るような感覚をもてます。女子キャラクターは当然ながら多彩。挿し絵が無いのが惜しいぐらい。主人公の男子ものび太君キャラでなく、健気で賢く応援したくなる要素を充分に持っています。どこかでアニメ化したら絶対受けると思う。


キャサリン・アサロ
「目覚めよ、女王戦士の翼」

目覚めよ、女王戦士の翼!〈下〉―スコーリア戦史 (ハヤカワ文庫SF)

目覚めよ、女王戦士の翼!〈下〉―スコーリア戦史 (ハヤカワ文庫SF)

目覚めよ、女王戦士の翼!〈上〉―スコーリア戦史 (ハヤカワ文庫SF)

目覚めよ、女王戦士の翼!〈上〉―スコーリア戦史 (ハヤカワ文庫SF)

著者の「スコーリア戦史」というシリーズの3作目です。
知られざるスペースオペラの名作だと思うのですが、シリーズの邦訳も3作目で打ちきりになったようだし、日本では受けなかったんですかね。

前二作も女性キャラが大活躍するんですが、とくにこの3作目は極めつけ。宇宙戦争でダメージを負った宇宙船を、未知の惑星に不時着した宇宙戦士(これは男)。と、ここまではよくある設定。しかし、着いた星がアマゾネス世界で、やはり政治、経済、社会の主要な部分は女性に握られています。男は陰の役割を果たすのですが、特異なのは囲碁をもっと複雑にしたようなゲームの腕前によって出世できる道が開けているのです。本来女のものである政治にすら介入できる影響力を持っているのが、このゲームの達人たちで、それゆえに権力をもった女性たちからモテモテになります。
この作品の女子キャラは、やっぱり権力者ということもあってアダルトな魅力をもった人が多いのですが、そういう女性たちがほろりと弱さを見せる瞬間というのがとても魅力的に描かれているのもこの作品の良さのひとつですね。