空論オンザデスク

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子育て、親育てを中心としたブログ 教育本、子育て本、鉄道もの、プラレール、トミカ系おもちゃなども。

知られざる関根勤の名言をフラッシュバック

ふと聞いた言葉がなぜだかずっと頭の中で残っていて、時おり思い出す、そういう経験がだれにでもあるはず。
 
いつかテレビの何かの番組で、関根勤「男は働いて働いて死んでいけばいいんだよ」と言った。
 
このフレーズだけ取り出せば、バブル期のイケイケワーカホリックな仕事至上主義に聞こえるが、そんな単純な発想の発言ではもちろんない。
 
ストイックに仕事の質を追究するプロフェッショナルとしての自覚と、自らの働きによって家族を守り育てていくのだという決意が言葉となって吐き出された、それは哲学であった。
 
 
実際、このフレーズがふいと関根さんの口からこぼれたとき、その口調はため息のようでありながら、スタジオは笑いに包まれた。
 
この言葉を思い出すとき、心がふっと軽くなるのを感じる。
男は働いて働いて死んでいけばいいんだ。
そう口に出して言ってみると、今の自分にしっくりくる。そう言ってしまえる自分に一緒のプライドすら感じる。若いころの独りよがりな願望からはとっくに解放され、役割や立場を持った、大切なものを支える柱としての自分を意識できる。
 
いつか、支える力を失ってヒビが入り、崩れ落ちるとしても、満足して消え去ることができる。
働いて死んでいくことに、なんの迷いがあろうか。
仕事は、それがどんな仕事であれ、働き続ければ続けるほどに技が磨かれ、かけた年月ほどに自分自身と不可分なものになってゆく。
ほかに何かを望んだり、何かを為さねばとあがいたり、何も残せないと焦燥に駆られたりする必要はない。自分で自分に与えた役割のままに、働いて、あるとき限界がきた時に、静かに退場すればいいのだということを、気づかせてくれるフレーズだ。