【中学受験・高校受験】地理、移動を伴う時差問題の解き方と練習(その1)
分かってしまったらカモになる時差問題
ただいま受験直前期まっただ中ですが、よく出る問題なのに未だに解けずに放置されていることが多い、そういう問題をちょっと解説してみたいと思います。少しでも役立てたら嬉しく思います。
例題
「Aさんの友人でブラジル人のBさんが日本にやってきます。Bさんは現地時間で1月25日の午後1時にリオデジャネイロ空港を出発し、約16時間のフライトを経て成田空港に着くそうです。Aさんは空港まで迎えに行こうと思うのですが、何月何日の何時に行けばいいでしょうか?リオデジャネイロは西経45度に位置するものとし、この経度を基にした標準時間であるとします。また、Aさんが空港に着く時間はBさんの飛行機がまさに成田空港に着陸する時間と同じだとします。」
ステップ1 時差を求める
地球は24時間で360度自転していますから、360÷24=15。1時間で15度回転します。
よって、経度差を15で割ると時差がでるわけです。これは覚えておきましょう。そうすると、経度差180÷15=12。12時間の時差だとわかります。
次に、時間を遅らせるのか進めるのかです。日付変更線から始まって時計回りに時間を遅らせると覚えてください。時計回りなら時差を引く、反時計回りなら時差を足すです。
今回の問題では、リオデジャネイロの時間から日本の時間を求めるので、反時計回り、つまりリオデジャネイロ時間に12を足すと日本時間がでます。
ステップ2 移動と時差を表で表して考える。
さあ、時差がでたので、今度は移動を考えます。これは、下の表のように考えると、とても簡単に解けます。
今分かっているのは、出発がリオデジャネイロ時間で1月25日の午後1時ですから、左上の欄に1/25 13:00と書きます。計算する時は24時間表記にしたほうが便利です。
上で計算して出した時差と移動時間も書き込んでおきましょう。
移動時間:16時間 | |||
出発 | 到着 | ||
現地時間 | 1/25 13:00 |
時差:12時間
|
|
日本時間 |
次に、これを日本時間に直します。上の方でやったことを思い出してください。時差は12時間で、リオから東京は反時計回りですから足し算です。
1/25 13:00+12:00=1/25 25:00
になりますね。25時は、1日+1時間ですから、1日繰り上げて、1/26 1:00になります。これを左下の欄に書きます。
移動時間:16時間 | |||
出発 | 到着 | ||
現地時間 | 1/25 13:00 |
時差:12時間
|
|
日本時間 | 1/26 01:00 | ここが 答え |
さて、求める答えは右下の欄に入るやつです。今度は移動に16時間かかっていますので、これを足してやります。
1/26 1:00+16:00=1/26 17:00
移動時間:16時間 | |||
出発 | 到着 | ||
現地時間 | 1/25 13:00 |
時差:12時間
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日本時間 | 1/26 01:00 | 1/26 17:00 |
ということで、答えは1月26日の午後5時ということになります。
このように表で表して整理すると、大変分かりやすくなると思います。ぜひ活用してみてください。
ちなみに、今回は時差→移動時間の順にやっていきましたが、この順序を反対にしても同じように解けます。
最後に練習問題を用意しました。理解の確認のために一度解いてみてください。
練習問題
練習1
花子さんはエジプト旅行中で、これから日本に帰国しようとしています。東経30度を標準子午線とするアレクサンドリア空港から、3月2日の午前8時(現地時間)に離陸して、13時間のフライト後成田空港に着陸する予定です。着陸は日本時間の何月何日、何時になるでしょうか。
練習2
花子さんは航空会社の手違いで、日本ではなく西経60度を標準子午線とするアルゼンチンのブエノスアイレス空港に着いてしまいました。仕方がないのでしばらく滞在することにし、2ヶ月ほど留学を楽しんでいましたが、ついに帰国を決意しました。ここから飛行機に乗り、日本に行きます。搭乗は5月10日の正午で、フライト予定は18時間です。到着は日本時間の何月何日、何時になるでしょうか。
解答
練習1 3月3日の午前4時
練習2 5月11日の午後7時
これの解説は次回の記事で