空論オンザデスク

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子育て、親育てを中心としたブログ 教育本、子育て本、鉄道もの、プラレール、トミカ系おもちゃなども。

読書

私たちの職は人工知能に奪われるとか奪われないとか ーシンギュラリティ前夜の世界を思い描くー

人工知能が人間を超える「シンギュラリティ」 人工知能の能力が加速度的に向上していき、ついには人間を凌駕する。それをシンギュラリティ(技術的特異点)と言います。起こる時期は、提唱者によってまちまちですが、2045年あたりを指すのが最も多いらし…

権力者の本性は顔の「横幅」で分かる

男の顔の「横幅」を見ると何が分かるのか 今回も、橘玲氏の「言ってはいけない」からネタをいただきます。 上の画像クリックでアマゾンのページに飛びます。 注目したのは、以下の記述。 母親の胎内で高濃度のテストステロンに曝された男性は顔の幅が広くな…

アクティブラーニングの成立に必要なたった一つのこと

教える側の意識を180度変えること なんとなく、ちょっとずつアクティブラーニングというものが見えてきたような気がしています。 先駆者の書かれた本を読ませてもらったり、縁をたどって授業を見させてもらったりして、なんとなくこういうものかなという感触…

サスペンス小説で学べる20世紀 「オデッサ・ファイル」より

ナチス親衛隊(SS) ナチス親衛隊(SS)は、一言で言えばナチスドイツの災厄を代表するような組織です。 ナチスの突撃隊(SA)と親衛隊(SS) SSとは、アドルフ・ヒトラーのもと、ハインリヒ・ヒムラーによって支配されていた、軍隊の中の軍隊、国…

アクティブラーニングが言葉だけになる理由

新学習指導要領の、間違いなく重要な柱の1つとなるのが、「アクティブラーニング」ですね。 私もそれなりに知っておかなくてはと思い、ひとまず本書を読んでみました。 この道の先駆者である方が書いたもののようですし、ざっくりとして分かりやすいという…

ハードボイルドとはこういうことか

ハリー・ボッシュシリーズの存在を、今まで知らなかったことが信じられない。 ハリーといえばポッターくらいしか思い浮かばなかったけれど、大人の読むべきハリーはこっちだった。長年の勘違いを痛感した読書体験だった。 ハリー・ボッシュを知るきっかけに…

自分の仕事に自信を持ちたいときに読む本

「 なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」を読んで なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である 作者: 中島聡 出版社/メーカー: 文響社 発売日: 2016/06/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る この本…

2020年の大学入試問題について

これまでにない大きな変革が行われると言われる大学入試改革について、自分なりに調べたことをまとめます。 文科相からは散発的にいろんな情報が出されていて、以前言われていたことがいつの間にか消えていたり、言われていなかったことが盛り込まれていたり…

本多勝一「殺される側の論理」ー日本を引っ掻き回した論客の代表作ー

本多勝一氏といえば、かつて朝日新聞社のエース記者として日本のジャーナリズムを牽引し、よくも悪くも数多くの論争を巻き起こした人物です。 近年では、朝日新聞の捏造疑惑に深く関与し、同じく代表作「中国の旅」で南京大虐殺を捏造したとも言われ、ネット…

意外と分からなかった「著作権」について(その2)

前回の記事↓ unbabamo189.hatenablog.com 著作権の世紀―変わる「情報の独占制度」 (集英社新書 527A) 作者: 福井健策 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2010/01/15 メディア: 新書 購入: 7人 クリック: 253回 この商品を含むブログ (48件) を見る 著者はどち…

意外と分からなかった「著作権」について(その1)

今回読んだ本はこちらです。 著作権の世紀 著作権の世紀―変わる「情報の独占制度」 (集英社新書 527A) 作者: 福井健策 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2010/01/15 メディア: 新書 購入: 7人 クリック: 253回 この商品を含むブログ (48件) を見る 情報が瞬…

「夜露死苦現代詩」の世界2 脱力系笑いの元祖ここにあり。点取り占いの異次元

昨日ご紹介した「夜露死苦現代詩」をまた取り上げます。 第2章 点取り占い〜について 点取り占いとは、駄菓子屋などでボール紙に貼り付け状態で売られているクジ遊びのようなもの。 一つ剥がして買い、包みを剥がすと16枚の紙片が折りたたまれている。それ…

胃の腑をえぐるような言葉に出会いたければ「夜露死苦現代詩」を読め

ちくま文庫ってご存知でしょうか。 古典や思想など、高尚な内容を主に扱っているアカデミックなレーベルです。私はこの文庫が大好きでして、本屋さんでちくま文庫の棚を漁っていると、ときどきマニアックでディープな世界に出くわすことができます。それはそ…

ブログかじりの読書虫

読書とは、楽しんでやるもんです。 一年で何冊読めば仕事の仕方がかわるとか、ビジネスパーソンはこの分野の本をこのペースで読まなきゃプロじゃないとか、読書を修行かなにかと勘違いした巷説が溢れていますが、そんなことを言われると読む気がなくなってし…

日本人は昔からエロ話が好きだった。ー宮本民俗学に見る農村の性文化ー

性というものを、昔の日本人はたいへんにおおらかにとらえていた、という話です。 読んだのは、「忘れられた日本人」宮本常一著です。 忘れられた日本人 (岩波文庫) 作者: 宮本常一 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1984/05/16 メディア: 文庫 購入: 49人…

人はなぜ思ってもいないことをしてしまうのか。ー「影の現象学」からー

影が人に何をさせるのか 私たちは時折、自分でもなぜあんなことをしてしまったのだろうかと疑問に思うようなことをやってしまいます。ふと魔が差して、とか、ついうっかり、など無意識的にということもあります。しかし、これをやってしまったらほぼ確実に後…

「文明の衝突」を読み解く

文明の衝突を読み解くシリーズ第4回(最終回)です。 第1回 unbabamo189.hatenablog.com 第2回 unbabamo189.hatenablog.com 第3回 unbabamo189.hatenablog.com 本書第4部の「文明の衝突」以降について主に読み解いていきます。 文明圏と勢力圏 中核国の存…

文明間のバランスが変わり、「文明の衝突」が起こりやすくなる

「文明の衝突」を読み解くシリーズの3回目です。 第1回 unbabamo189.hatenablog.com 第2回 unbabamo189.hatenablog.com 文明間のバランスのシフト 今回は、本書の第2部である「文明間のバランスのシフト」と、第3部の「文明の衝突」について読み解きたい…

「文明の衝突」は、冷戦後の世界をどのように規定したか

前回に引き続き「文明の衝突」の話です。 前回の記事 unbabamo189.hatenablog.com 文明の衝突 作者: サミュエル・P.ハンチントン,鈴木主税 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 1998/06/26 メディア: 単行本 購入: 17人 クリック: 915回 この商品を含むブログ (…

「文明の衝突」を読む前に、冷戦時代を復習する

「文明の衝突」について およそ10年前にこの本は世に出ました。 「文明の衝突」と題されたこの書物は、原題を「The clash of civilizations and the remaking of world order」と言い、そのまま訳すなら、「文明の衝突と世界秩序の再編」となります。書い…

葉隠入門は、現代サラリーマンの指針の書となるか

死ぬことと見つけたり 武士道といふは、死ぬことと見つけたり。二つ二つの場にて、早く死ぬはうに片付くばかりなり。別に子細なし。胸すわって進むなり。図に当たらぬは犬死などといふ事は、上方風の打ち上がりたる武士なるべし。二つ二つの場にて、図に当た…

生存者ゼロ 行間で万単位の人が死ぬパニック小説の魅力

「パニックもの」というジャンル 隕石が飛んできたり地球が全球凍結したり地球の自転が止まったりする大災害もののパニックムービーが結構好きだ。不謹慎なことこの上ないが、やっぱりスケールの大きさと画面の派手さには目を見張ってしまう。こういう映画は…

バンパイアハンター・リンカーン 予想を裏切られる骨太な歴史改変スペクタクル

ホラーかスペクタクルか 表紙のイメージとかなり違う、本格的な歴史改変ものです。このジャンルをなんと言えばいいか。バンパイアものでありかつ、歴史大河ロマンであり、巧妙にイフと取り混ぜた架空の伝記(自己矛盾した表現ですが)とも言えると思います。…

天冥の標Ⅸ 感想

停滞というより新展開への壮大な序曲 今回の「天冥の標 」は、これまでに貼りに貼りまくった伏線をそろそろ残らず回収しまっせ、という著者のクライマックス宣言のような1冊だった。 ただ、これから謎を解き明かしていくというに留まり、なかなか謎そのもの…

「都市と都市 」チャイナ・ミエヴェル

参りました。 こんなにすごいSFに出会えたことに、感謝したい。こんな本がブックオフの108円コーナーに埋もれているんだから、現代の情報社会はすばらしいってもんだと思う。 著者については全く知らなかったが、表紙に記載された燦然たる受賞履歴を見ても、…

「国家の罠」佐藤優

今日の一冊は佐藤優の「国家の罠」です。 国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫) 作者: 佐藤優 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2007/10/30 メディア: 文庫 購入: 35人 クリック: 235回 この商品を含むブログ (202件) を見る 様々な顔をもつ本…

「イリュージョン」リチャード・バック

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」 文句なくこの1冊。 リチャード・バック 「イリュージョン」 頭の中に溜まった垢を全部擦り落としてくれる、いわば脳内お掃除屋。 読むと、自分がどれだけ多くの偏見や固定観念に縛られているか、自分の目がどれだけ曇っ…

ゴーン・ガール 原作の感想

ゴーン・ガール 上 (小学館文庫) 作者: ギリアンフリン,Gillian Flynn,中谷友紀子 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2013/06/06 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログ (97件) を見る ゴーン・ガール 下 (小学館文庫) はじめにお断り この記事はス…

「高い城の男」 と世界の崩壊

今日の本はSF界の鬼っ子、フィリップ・K・ディックの書いた「高い城の男」 第二次世界大戦の勝者がドイツと日本だったら。 それは歴史の仮定にすぎないが、その仮定を前提にしてしまうのがSF小説のすごいところ。作中世界そのものが現実味を欠いているのに、…

「銃・病原菌・鉄」 世界的ベストセラーはやっぱりスケールが違う

本日の一冊は「銃・病原菌・鉄」ジャレド・ダイヤモンド著です。 文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 作者: ジャレド・ダイアモンド,倉骨彰 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 2012/02/02 メディア: 文庫 購入: 27人 クリ…